【生きもの秒写】「ホッキョクグマ」 白浜・アドベンチャーワールド(産経新聞)

 ■力強くはぐくむ生命

 待ちに待った誕生だった。シロクマの愛称のとおり、真っ白な毛に覆われたホッキョクグマの赤ちゃん。「良く動く元気な子だ」と飼育スタッフみんなが心から喜んだ。和歌山県白浜町のアドベンチャーワールド。昨年10月13日、同園で飼育する2頭のホッキョクグマの間にメスの赤ちゃんが1頭誕生した。「力強く生まれてきた」と飼育スタッフの荻谷実さん(40)が誕生時を振り返る。

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 生まれたときに724グラムだった小さな体は3月8日現在で22キロを超え、すくすくと育っている。丸い小さな瞳。三角おにぎりのような形の耳。ふわふわの毛に覆われ、よちよちと歩く姿は、ぬいぐるみが歩いているようだ。来園者たちは愛くるしいまでの姿に歓声を上げ目を細めている。

 北極圏に生息するホッキョクグマは2万から2万5000頭といわれている(国際自然保護連合調べ)。地上最大の肉食獣で、オスは最大で800キロほどになるという。泳ぎが得意で主にアザラシを食べ、魚や水鳥なども捕食する。

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 しかし地球温暖化の影響で、生息環境に深刻なダメージを受けている。

 ホッキョクグマは食物の豊富な春と秋に集中して氷原で狩りをする。そして十分に食べて体脂肪を増やし、獲物の少ない時期を乗り切るエネルギーを蓄えるのだという。

 しかし、気温が上がり氷が解ける時期が早まるほど、狩りをする場が少なくなり「飢え」の時間が長くなる。ホッキョクグマはすでに、絶滅のおそれのある野生生物のリスト「レッドリスト」に名前を連ねている。

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 また、妊娠したメスは、子供を産んで育てる冬ごもりの100日間は、何も食べずに過ごす。子育てには2年半ほどかかり、単独で狩りができるまで愛情深く面倒をみる。

 アドベンチャーワールドの子グマは、哺乳(ほにゆう)瓶に入ったミルクを飲み干し、元気よく動き回って疲れたのか眠り始めた。

 何を夢見ているのか。私は子グマの寝顔を見つめて、遥か遠く、白い氷原を渡る風に思いをはせた。=おわり

 (この連載は写真報道局・頼光和弘、大塚聡彦が担当しました)

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 「秒写」は今回が最終回。次回からは新しい企画がスタートします。

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by qq8rj3z2ip | 2010-03-11 09:55
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